ラーメンは、ガツンとくるものだけが正解じゃない。
たとえば、澄んだ出汁が染みわたるような、
あるいは、端正に設計されたバランスで“食べ終えた後”の余韻が美しいような。
そんな一杯が、日常を静かにアップデートしてくれることもある。
今回は、盛岡駅から徒歩で行ける“あっさり派もハマるラーメン3選”をご紹介。
どれも、“静かに自分を整える時間”にそっと寄り添ってくれるようなラーメンばかり。
背伸びしないけれど、確かに美味しい——大人のラーメン特集です。
🍜自家製麺らーめん ふじ原
📍 岩手県盛岡市大通3-1-30
🕐 営業時間
[火~土] 11:30~14:30/18:00~20:00
[日] 11:30~15:30
※定休日:月曜・第1日曜

盛岡のラーメンシーンにおける“隠れた本命”。
ふじ原の一杯は、まず麺が主役。
店内製麺のしなやかな細ストレート麺は、啜った瞬間の口当たりから格が違う。
合わせるスープは煮干しベースで、雑味を排したクリアな旨味が知性を感じさせる。
シンプルな構成に見えて、細部に宿る緊張感と完成度。研ぎ澄まされた一杯は、まるで良質なジャズのように、余白とリズムの中に美がある。
日々の中で“確かなもの”を求める人が、そっと通い続けている一軒だ。
おすすめシーン
・ 麺にまでこだわったラーメンが食べたい、と思った平日
・ 予定と予定のあいだに、気持ちをリセットしたいとき
・ 一人でも、誰かとでも、“食の美意識”を共有したい昼下がりに
🍜食堂 ippo ippo
📍 岩手県盛岡市大通2‑6‑7(盛岡駅から徒歩約15分)
🕐 11:00〜21:00(L.O. 20:30)

静謐な午後にふさわしい、“食堂”を装いつつ内側は実力派。
無骨なようで洗練されたスープは、じんわりと奥行きを広げる鶏油(チーユ)の香りが印象的。
特製醤油らぁ麺には、鶏と豚のチャーシュー、味玉、太メンマがバランスよく共演し、一口ごとに計算された奥深さに気づくはず。
おしゃれな器に盛られたビジュアルは、東カレ掲載にふさわしい“品格と遊び心”が共存。
さらに、唐揚げや激辛ネギ味噌、ナポリタンと、次々と手を出したくなる多彩なメニュー構成も大人な余裕を感じさせます。
おすすめシーン
・ ランチタイムにちょっと背筋が伸びる一杯を味わいたいとき
・ 仕事帰り、自分を整える“ひとり飯”を探しているとき
・ 気の利いたラーメンで、マンネリ気味の昼食をアップデートしたいとき
🍜麺屋 いおり
📍岩手県盛岡市中央通1-10-6
🕐営業時間
11:00~15:00
18:00~23:30
■定休日
不定休

豚骨魚介のラーメンという定番の中に、きちんと“整えられた一杯”がある。
どろりと濃厚でありながら、くどさのないバランス。
まるで設計されたようなスープに、ストレート細麺が無理なく寄り添う。
特製ラーメンには味玉・チャーシュー・メンマが贅沢に盛られ、ボリューム感と端正さが共存。
カウンター6席だけの小さな空間は、まるで静かなバーのよう。
清潔感もあり、ラーメンに対する真摯な姿勢が伝わってくる。
夜は23:30まで営業しており、遅めの晩ごはんにも頼れる一軒。
おすすめシーン
・ 仕事終わりに、きちんと“うまい”で締めたいとき
・ にぎやかさよりも、静かに味わえる空間を求めているとき
・ 今日はスープまで飲み干したい——そんな気分の日に
どれも、派手さではなく“美意識”で勝負しているラーメンばかり。
ランチの選択肢に悩む平日も、夜遅くにひと息つきたいときも、
この3軒がそっと日常を引き上げてくれるはず。
“あっさり”の奥に潜む、本物の余韻を。
まずは気になる一杯から、ぜひどうぞ。