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“もう少し一緒にいたい夜”に寄り道したい、盛岡の飲み屋3選

グルメ

「もう少しだけ、一緒にいたいな」
口に出さなくても、そんな気配がふたりの間に流れる夜がある。

ディナーの帰り道。
お腹は満たされてるけど、まだ解散するにはちょっと惜しい。
会話は続いてるけど、何かが“あと一杯”を欲しがってる。

そんなときにちょうどいいお店が、盛岡にはいくつかある。

かしこまらずに入れて、でもそこにはちゃんと空気がある。
静かにグラスを傾けながら、次の言葉を待てるような場所。
距離が近づくのではなく、“近づきたいと思える余白”があるような夜

今回紹介するのは、そんな“少しだけ続けたい夜”にそっと寄り添ってくれる飲み屋たち。
角打ちで始まり、日本酒で深まり、クラフトビールで締めくくる——
大人の恋に似合う、3つの寄り道です。

🍶一軒目|下ノ橋の「十一屋」で、言葉よりも余韻を重ねる

繁華街から少し離れた、小さな交差点の先。
グラスを傾ける人の姿がガラス越しに見えたら、そこが「十一屋」。

扉を開ければ、すでにグラス片手の大人たちが静かにその時間を楽しんでいる。
ここは、有料試飲専門の日本酒スタンド。

メニューにずらりと並ぶ銘柄から、気になるものを自由に選ぶスタイル。
冷蔵ケースには、東北の地酒からレアな一本まで整然と並び、酒好きの好奇心をくすぐる。

会話の邪魔をしない距離感で、店主が軽やかに応えてくれる。
「甘めが好き?」「それならこれがおすすめかも」
そんなやりとりに、ふとその人らしさが滲み出すのが、この店の好きなところ。

グラスを片手に立ったまま、
壁にもたれたり、目線を合わせたり、すこし外したりしながら過ごす時間。
無理に盛り上げなくても、静かに心地よく流れる会話が、ふたりの距離をそっと縮めてくれる。

デートの帰り道、もう少し一緒にいたい夜に。
知っているとちょっとだけ格好いい、静かで美しい余韻の残る一軒。

🍷二軒目|内丸の「凡」で、ワインと木の香りに包まれる夜

扉を開けると、ふわりと木の香り。
古材を活かした温かみのある空間に、小さなカウンターが静かに佇んでいる。

ここは、“角打ち”スタイルでワインを楽しめる隠れ家「凡(bon)」。

グラスに注がれるのは、店主が自ら選んだ自然派ワイン。
ボトルのラベルも、産地の話も、知らなければ知らないままでいい。
だけど、聞けばちゃんと教えてくれる。そんな距離感が、ちょうどいい。

椅子はなく、立ち飲み。だけど、疲れる感じはない。
木の柱に背を預けながら、少しずつ距離が近づいていくのを感じる時間。
グラスを持つ手に集中しながら、言葉を交わすリズムも、いつもより少しだけ丁寧になる。

注がれるのは、店主が自ら選んだ自然派ワインたち。
詳しくなくても、聞けば静かに教えてくれるし、聞かなければ、それでもいい。
説明も蘊蓄も押しつけないこの空気こそが、大人には心地いい。

ふたりで並んで立ちながら、少しだけ目線を合わせて、また外す。
そんな瞬間に生まれる静かな高揚が、この場所にはよく似合う。

喧騒から少し離れて、ほんの30分だけ立ち寄る。
それだけで十分に、夜は美しく整う。
“ワインの角打ち”という選択が、こんなにも余韻深く感じられるのは、凡だけかもしれない。

🍺三軒目|盛岡駅ナカ「Lit work place」で、クラフトビールと余白のひととき

改札を抜けたら、そのままどこにも行かず、ふと立ち止まりたくなる場所がある。
盛岡駅ビルの中、ちょうど中央口の横。
ざわつくフロアのすぐそばに、けれど不思議なほど静かな余白が広がっている。

「Lit work place」は、クラフトビールの醸造所を併設したカフェスタンド。
日中はコーヒーや焼き菓子が並ぶカジュアルな空間も、
夜が近づくと、冷えたビールグラスと淡い照明に表情を変える。

飲めるのは、自社醸造のフレッシュなクラフトビールたち。
苦味、酸味、香り、余韻——
どれも主張が強すぎず、でも一杯ごとにちゃんと違いがある。
「どれにしよう?」と迷う時間さえ、ちょっと楽しい。

駅という場所柄、長居はしない。
でもそれが、むしろ心地よかったりする。
待ち合わせ前の一杯でもいいし、新幹線までの30分でもいい。
好きな人とふたりで、グラスを傾けながら「今日どうだった?」と話すには、ちょうどいい。

時間に追われがちな日常のなかで、
ほんの少しだけ速度をゆるめる。
駅の中にあるなんて忘れるような、そんな場所で。

ふたりで歩く、盛岡の“余白時間”を。

どこかへ出かけるでもない、
何か特別な目的があるわけでもない。
でも、気になる誰かと一緒に歩く夜は、それだけでちょっと特別になる。

今夜は、そんな“余白の時間”に寄り添ってくれる3軒をめぐってみてほしい。
静かに酔える一杯。グラスの音と、ふたりの会話。
きっとその全部が、記憶のどこかで、あとからじんわり響いてくる。

盛岡には、大人の寄り道がちゃんとある。
ふらっと入れて、心地よく酔える、そんな場所が。

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